見たもん勝ち ～建設業応援団～
【新技術導入】 維持管理の試行モデル自治体を決定
2020/10/12建設時事
建設メール
地方自治体における効率的・効果的なインフラメンテナンスの実現に向け、国土交通省が新技術の現場試行に取り組むモデル現場を公募した結果、静岡県・静岡市と山梨県北杜市がモデル自治体に選ばれた。本年度は国交省が企業等とのマッチングを設定し、現場試行を支援。同試行をモデルケースとして課題や留意点を整理した上で、新技術導入を推進する仕組みを検討していく。
SIP（戦略的イノベーション創造プログラム）インフラで開発された新技術を活用して現場試行を実施し、インフラ維持管理に関する課題解決を目指す。静岡県と静岡市は、基礎の洗堀・地すべりの変位を広域的に把握する技術が対象。自然災害が激甚化する中で、急流河川での下部工洗堀や地すべりなど、災害対応として変位把握の重要性が高い。また静岡市では点群データの活用方法も検討しており、データの取得から活用に至る総合的な効果が期待される。想定するSIP技術は、ALB（航空レーザ測深）による洗堀状況把握、衛星SAR（合成開口レーダー）による変位モニタリング技術、レーザーを活用したインフラ診断技術を見込む。
北杜市は、市道全体の舗装の損傷を安価・高速に点検する技術が対象。多くの市町村で維持補修の予算が限られており、保有する舗装全体を点検することは難しいため、予算内で早く調査・解析・対策できる技術を実装したい市町村にとって有効性が高いと考えられる。想定するSIP技術はスマートフォンによる路面性状把握システムとなる。
