〈冬虫夏草〉 日本学術会議
2020/10/13コラム
冬虫夏草
発端は赤旗の記事であるが、一般紙が乗っかり、外野も応援団、反対派と喧々諤々である。
前川喜平氏(自称 右傾化を深く憂慮する一市民)は、菅総理の人事の不当性を主張し、新聞では異を唱えたことにより、左遷されたというキャリア官僚のインタビューまで乗っている。
かのキャリア官僚によると、身分が担保される制度が構築されるべきと主張している。
麻布中高から東大法学部を卒業し、文部キャリアとなった人が「一市民」をことさらに言うところに、酷い異臭を感じる。
身分が担保される制度の構築を主張する方には、どこの世界にそのような一方に都合のいい制度が存在するのか教えてほしい。
というより、そのような主張をすることができる、厚顔無恥さは矢張り、官僚制度の中で培われたものだと納得の一面もある。
静岡県の川勝平太知事は、定例記者会見で日本学術会議問題について「学問立国に泥を塗るようなことだと心配している。汚点は早く拭った方がよい」と批判し、「教養のレベルが露見した。おかしなことをされた。任命権があるから矛盾していないと言うが、何も語っていないに等しい。言い訳にならない」と述べている。川勝知事は早稲田大教授や静岡文化芸術大学長を歴任している学者知事で、「教養のレベルが露見した。」というところは、学者の高慢さが露見し、興味深い。
「日本学術会議」は政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されているが、税金で運営されている機関である。
国民から信任を受けた政府の安全保障政策に反対して、研究テーマを恣意的に選ぶならば、税金の投与に相応しくない。
特別公務員に選定されなかったから、学問の自由が阻害されたと主張するのは、いかにも無理筋である。
また、人事の内容について、説明責任を行うべきという理論も乱暴で、どこの会社や行政でも、人事の内訳を晒している組織はないであろう。
「日本学術会議」の理事長は、『何が悪いのか、教えてもらわなければ改善できない』と主張しているが、否認されたメンバーから原因を類推できないのであれば「教養のレベルが露見した。」というところであろう。
寄稿者:冬虫夏草
長きに渡り、地方自治体における総合評価制度の実際の現場で評価に携わってきた
現在も総合評価制度を探究し、ゼネコンはじめ多くの建設企業から相談を受けている