見たもん勝ち ～建設業応援団～
【建築設計業務】 働き方改革推進へ自治体向けの指針作成
2020/10/28建設時事
建設メール
改正品確法を踏まえて建築設計業務の受注者の働き方改革を後押しするため、都道府県・政令市の営繕担当課長と国土交通省官庁営繕部が参加する全国営繕主管課長会議において、発注者として留意すべき事項をまとめたガイドラインを新たに作成した。3月に国交省が作成したガイドラインの内容に注釈を加え、分かりやすい表現を用いるなど内容を充実させている。都道府県を通じて全国の地方自治体にも周知することで、公共建築工事の発注者が足並みをそろえて建築設計業務の働き方を推進する。
主な内容のうち、適正な履行期間の設定では、設計与条件や委託する業務内容を明確化した上で、基本設計、実施設計、積算に要する期間を適切に積み上げ、過去の実績等を参考にしつつ、実情に応じた履行期間を設定する。また建築物の規模や用途、設計の難易度・複雑度、事業の特性、週休2日の確保、祝日、年末年始、夏季休暇等による不稼働日も考慮することに加え、各種調整等の時期や期間などを実情に沿って配慮する。
手戻り防止の関係では、業務スケジュール管理表に基づき受発注者間で設計業務の進捗状況を的確に把握・共有し、遅延の有無を確認するほか、受発注者間の調整事項を一覧表により「見える化」するなど伝達ミスや認識の相違を防ぐよう努める。さらに、設計業務の発注前にあらかじめ敷地、規模、各室面積、予算等の条件を決定するとともに、企画内容を明確化して設計与条件としてまとめる。
他にも金曜の依頼や月曜期限の依頼をしない、業務時間外の会議をしない、受注者のノー残業デーを把握し配慮する取り組みの徹底や、テレビ会議、情報共有システムの活用、ペーパレス化による生産性向上、履行期限の平準化、適切な業務発注などに努める。
なお直轄業務の発注に当たっては、同ガイドラインに留意する旨を特記仕様書に明記している。
