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【発注者懇談会】 データの一元管理で利活用効率化目指す
2021/07/13建設時事
建設メール
今後の発注行政の在り方を検討する国土交通省の有識者懇談会が13日に開かれ、社会全体のデジタル化に対応した建設生産・管理システムの将来像を議論した。今回は「データマネジメント」を論点とし、受発注者間や発注者におけるデータ活用の現状と課題解決の方向性を整理するとともに、10年後を見据えた将来像と当面必要な取り組みについて意見を交わした。当面目指す姿では、データをDXデータセンターで一元管理し、加工、蓄積、参照、利活用を効率化することを想定する。
国交省は、建設生産・管理システムにおけるデータマネジメントについて、ハードウェアでデータの生成、加工、活用等をサポートし、データ利活用のしやすい環境をソフトウェアで整備しながら、効果的にデータの生成、加工、活用、廃棄を行っていくことと定義。現状は、調査から維持管理までの工程で受発注者が業務・工事成果等のデータをやりとり・加工しながら業務を展開する中で、的確・効果的なデータの引き継ぎや連携に課題があるとした。
データマネジメントの10年後の将来像では、調査・計画、設計、施工、維持管理等の工程間での一気通貫やインフラに携わる関係者間の統合的・円滑なデータ共有・連携を掲げる。具体的には電子納品システムを通じてDXデータセンターへ工事・業務の納品データ等を蓄積し、既設のインフラのデータも共有、工事等のデータ活用と連携を図る。蓄積されたデータは受発注者・関係者等が後工程を含め活用するデータ連携を図り、▽受注者は3次元データで示された目的物を工事で造る▽発注者は3次元データを基に確認（検査）▽プロセス間で「マスターデータ」（モデル）が加工・情報付加されながら引き継がれる―ことを想定。オープン化すべきデータは、国土交通データプラッフォーム等を通じて受発注者以外もアクセス、連携・活用を可能にする。
将来像実現のために必要なものでは、データの適切な納品、既存インフラデータも含めた蓄積・共有、それを活用したプロセス間、関係者間の連携が可能となるソフト・ハードの整備を挙げた。将来の目指す姿のうち、成果品データの例では工事・業務の電子成果品の属性データを施設単位で地図上にひも付け、将来的には構造物の施設単位で各成果品を集約、成果品内の情報を検索し、構造形式や使われている部材名称等を横断的に検索可能とする。本年度下期には電子納品保管管理システム内の属性データとの連携を進める。
委員からは「直轄とそれ以外の二極化は困る。発注者である程度の進捗を合わせてほしい」「データを生産性向上・品質確保につなげるための検討の視点が必要」「真実を示すデータをどう残すのかという視点があってもいい」などの意見が出た。
