見たもん勝ち ~建設業応援団~

【作文コンクール・国土交通大臣賞】 「建設キャリアアップシステムが照らす建設産業の未来」小林朝幸氏(橋本電気工事・神奈川県)

2021/10/25建設時事

建設メール

 建設現場に行くと、実に様々な人びとに出会います。十代のころから職人として技を磨いてきた人、まったくの異業種から転職してきた人、外国から夢を求めてやってきた人などなど、実に個性豊かです。かくいう私も30代も後半、40に差し掛かろうかという年齢でこの業界に飛び込んできた身です。それまでの仕事内容とのギャップ、建設産業という特殊な業種に対する戸惑いなど、驚きと苦労が絶えなかったことを記憶しています。
 そこからすでに5~6年は経ったでしょうか。この業種、業界についていつも感じていたことがありました。それは「職人さんは自身の経験、技量に見合うだけの賃金を稼げているのだろうか」と言うことです。冒頭に記したように、建設現場には様々な人がいて、様々な経歴を持ってます。30年以上職人一筋でやってきた人間と、始めて2~3年という人間がひとくくりに「一人工」と表現されて良いのでしょうか。もちろん「会社」に所属していれば、社内の評価では差がついてしかるべきです。
 しかし、転職を考えた時、独立を考えた時、誰が果たしてその人の技術や経験を公平な目で評価してくれるでしょうか。また「独立できる年齢に到達するころには、体力的な問題で若いころのような仕事量がこなせない」といった声も現場でチラホラ聞こえます。体力は落ちても、その人の持つ技術や経験は若い頃以上に評価されるべきではないでしょうか。
 他の業種を見渡せば、経験を重ね、技術を磨いた世代(50代から60代)は目に見えた形で賃金が上昇しています。しかし、体力的な衰えが仕事量に直結する建設産業においては年齢を重ねることが決して良いことだとは捉えられておりません。これから建設業に飛び込もうと考える若い世代が、体力の減退とともに仕事量、賃金が減る諸先輩方を目の当たりにし、何を夢見て仕事に取り組めばよいのでしょうか。当社においても若い世代の入社希望者は多いとは言えません。人手不足が叫ばれるこの業界に疑問を抱かずにはおられませんでした。
 しかし、そんな現状に光を当ててくれるのが「建設キャリアアップシステム」だと私は考えております。技能者個人に紐づいたキャリアアップカードは、例え転職をしたとしても、独立をしたとしても、持っている技能者の財産として残ります。カードに登録された「資格者証」はその技能者の「技術」を証明してくれますし、入場時のカードタッチは「現場入場日数」として管理され、その技能者の「経験」として数値化されます。
 技術と経験が形や数値となって残れば、それはその技能者の能力の客観的な評価材料となります。能力評価の材料が明確化されれば、評価する側も技能者に対する的確な判断が可能となります。これまで漠然とした評価しかされてこなかったものが、その技能者を助ける大きな財産となるわけです。適正な評価とそれに伴う賃金の向上は、建設産業そのものの評価の向上にも繋がり、そこを目指す若い世代も増加するのではないでしょうか。このシステムの確立は、今の熟練技能者の評価の向上はもちろん、今後建設産業で働きたいと考えている若年層の技能者の増加を促し、人手不足の解決にも繋がります。
 おそらくこれまでも技能者は「技術」と「経験」でその評価を得てきたはずです。しかし、今まではその評価の基準があまりにも曖昧で、判断する側によって変わる為、結果的に不足している評価を仕事量によって補うことしか方法がありませんでした。その曖昧さ、流動的な評価があるいは「体力的な衰えによる仕事量の減少、それに伴う賃金の減少、若い世代の現場離れ、そして人手不足」という悪循環を作り出していたのかもしれません。
 「建設キャリアアップシステム」はこれまでの常識を覆した画期的なシステムです。建設業退職金共済との連携も図られ、そのシステムの充実は目を見張るものがあります。これまで建設産業に貢献してくれた諸先輩方、これからの未来を担う若い世代たちのためにも、当社でもより一層の普及を目指したいと思います。

 

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