見たもん勝ち ～建設業応援団～
処遇改善にはダンピング防止の徹底を
2021/11/05建設時事
建設メール
国土交通省は、都道府県の監理課長や入札契約担当課長と意見交換する2021年度下期ブロック会議の議題と日程を決めた。下期は技能労働者の処遇改善と公共工事の円滑な施工確保について、直轄工事等の具体例を示しながら議論するほか、10月15日に開いた中央建設業審議会（中建審）総会で説明した内容に対して意見を求める。技能労働者の処遇改善策のうち、ダンピング受注の防止とさらなる強化の徹底では▽適切な低入札価格調査基準または最低制限価格の設定▽調査基準を下回った金額で入札した者に対しての適切な調査の実施▽一定の価格を下回る入札を失格とする「価格による失格基準」の積極的な導入・活用を促すことで、制度の実効性を確保する。
低入札調査基準価格を下回る受注における制度の実効性確保も徹底する考えで、自治体の実情に応じて①価格による失格基準②特別重点調査制度③施工体制確認型総合評価制度―のいずれかを導入し、組み合わせて活用することで不適格な業者の排除につなげてもらう。失格基準に関しては、調査基準価格との開きが大きい事例も見受けられるため、価格水準を調査基準価格に近づけることで制度の実行性を確保するよう理解を求める。
処遇改善の関係では、他にも法定福利費および労務費の適正確保へ請負代金内訳書に明示される法定福利費の適切な支払いのための取り組み浸透、週休2日の推進と適正な工期の確保、建設産業における女性の定着促進について状況を確認し、推進に向けた課題を探る。
円滑な施工確保では、不調・不落の状況と傾向の把握、JV準則改正（復興JVの位置付け）を説明するとともに、施工時期の平準化、CM方式およびプロポーザル方式の活用などを働き掛ける。
中建審に提示した議案の関係では、災害復旧工事中における損害発生時の費用負担および経営事項審査の改正の方向性を紹介し、都道府県の考え方を聞く。
会議は、5日の中国ブロックを皮切りに、12月16日の北海道・東北ブロックまで全8ブロックで対面とウェブ方式を組み合わせて行う。関東甲信ブロックは11月12日、北陸ブロックは同月16日に開催する。
