〈Q&A〉 除雪は採算性低い 対応策は
2016/09/16コラム
建設メール
全国建設業協会(全建)が実施した除雪業務に関するアンケート調査の結果、多くの企業が採算性の低さに苦戦していることが分かった。国交省発注のものはほぼ半数が「黒字」だが、道府県では約4割、市町村は3割と少ない。除雪業務にどのような問題があるのか、Q&Aで探ってみたい。
Q なぜ採算性が低いのか
A 積算と実態の差と言えると思います。今回のアンケートでは、稼動時・待機時それぞれの費用が十分かどうか聞いているが、いずれも「不足している」と答えた企業が多いです。稼動時は、パトロール費用や機械経費、手当てなどを挙げる回答が多かった。例えば、積算でパトロール費用を見てくれている発注者でも、1日1回、1人が行うという積算になっています。実際に雪が降れば1日数回、2人で行くケースも多く、お金が合わないというケースもあるようです。また、早朝や夜間、休日などの出勤もあり、その割増分が不十分といった意見もあります。企業数が減ってきて担当エリアが広がってきているのが厳しいという意見もありました。
Q 待機費用の問題は
A いまだに一部市町村では待機費用の設定自体がないという声が多かったです。また、設定していても単価が低い、基準時間が短いなど、やはり十分ではありません。「4カ月間飲みたい酒も飲まずに、平日週末にかかわらず待機している。せめて3カ月間は待機料があってほしい」という意見は本当に正直な心情だと思います。
Q どうすれば採算性が上がるのか
A 希望する契約方法を聞くと、単年度より複数年度、除雪のみよりも道路維持などと合わせた合併式をという意見が多いです。ロットを大きくすれば受注者としては計画的に取り組みやすいため、この意見は当然です。発注者にも検討してほしいところです。ただ前提として、きちんとお金をつけるということは、当たり前ですが絶対に必要です。包括発注にすればそれでよし、ではなく、事前の積算や実態にあった見直し・変更などを行い、きちんとビジネスとして成り立つ形を目指さなければなりません。