【快適トイレ+記者の眼】 10月からの導入前に事例集作成
2016/09/27記者の目/論説
建設メール
国土交通省は男女ともに快適に使用できる仮設トイレ「快適トイレ」を、10月以降に入札手続きを行う直轄土木工事の建設現場から原則として導入する。導入に先立ち標準仕様を満たした事例集を公表した。9月2日までに応募があった30社・68件の快適トイレが事例集に掲載されており、元請業者が現場環境に合った製品を選ぶ際に活用してもらう。また、国交省では地方自治体でも快適トイレの設置が広まることに期待を寄せている。
快適トイレは①ハウス型②車載型③ボックス型―の3タイプがある。事例集では標準仕様のうち、推奨する仕様、付属品について標準仕様に適合している項目数で分類し、レンタル費用の安い方から順に掲載。個別事例では会社名、製品名、問い合わせ先、供給地域のほか、写真付きで製品を説明している。
快適トイレに関する費用は月額・1基当たり4万5000円まで、男女別で設置した場合は2基まで費用計上できる。上限を超える費用は共通仮設費のイメージアップ経費の率分の中で支出可能とする。費用は事後に実費精算となる。
なお、事例集に掲載されていない製品でも、標準仕様と備える付属品を満たせば快適トイレとして活用することができる。
事例集は国交省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/tec/kankyouseibi.html)を参照。
〈記者の眼〉
今回の事例集作成に伴い、従来の「建設現場における仮設トイレの事例集」は廃止されたが、蓋を開けてみれば倍以上の事例が集まった。販売メーカー、レンタル会社ともに快適トイレに力を入れている証拠だろう。レンタル費用は安いもので1万5000円、高いもので18万円と幅があるが、あえて費用が安い順に掲載したのは今後の普及を想定したため。市場で需要が高まれば費用はもっと下がり、製品数も間違いなく増加することから、直轄工事以外でも導入しやすくなる。仮設トイレのイメージを大きく変える10月からの取り組みに期待したい。