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所有者不明土地対策で筆界認定の表示登記は運用見直しへ
2022/04/21建設時事
建設メール
法務省は、所有者不明土地対策のための筆界認定に関する表示登記の運用を見直す。隣地の所有者が不明な土地や相続人が多数存在する土地などについて、取引に必要な登記手続きを円滑に行えるよう、申請人の負担軽減を図りつつ、筆界認定の適正性を確保する新たな運用を示す通達を出した。これまで登記が困難だった事案についても登記手続きが容易になることで、円滑な土地取引の実現が期待される。
運用見直しのうち、隣地所有者不明の場合は、精度の高い地図があるなど登記官の調査によって筆界が明確と認められれば、筆界確認情報の提供を求めないことにする。相続人多数のケースでは、相続人全員ではなく「相続人のうち現に占有する者のみで足りる」とするなど、筆界確認情報を求める範囲を必要最小限にする。また、隣地所有者の押印や印鑑証明書の添付は求めない。
一方で、筆界確認の重要性は従来と変わらないため、申請人の負担を軽減しつつ、登記官の必要な調査により筆界認定の適正性は十分確保する。従来は筆界確認情報に重きが置かれていた筆界の認定を、現地調査の権限や登記所保管資料を活用して、登記官がより積極的に行うことにする。
今回の通達発出と法務局の取扱要領の改訂等を経て、本年9月末をめどに全国の法務局で運用を開始する。
