【i-Construction+記者の眼】 コンソーシアム設立へ12月にも会員公募
2016/10/18記者の目/論説
建設メール
国土交通省は建設現場の生産性向上を図るi-Construction(アイ・コンストラクション)を推進するため、18日にコンソーシアムの準備会を開催し、体制や規約を決めた。さまざまな分野の産学官が連携してIoTや人工知能(AI)といった革新的な技術の現場導入や3次元データ活用などを進めることで、生産性が高く魅力的な新しい建設現場を創出することを目指す。12月から来年1月にかけてコンソーシアムを設立する。
会員の公募は12月ごろに開始し、建設関連企業と建設分野以外の関連企業、有識者、行政機関などを広く一般から募る。
冒頭、森昌文技監は「一日も早くコンソーシアムを立ち上げて活動に着手していきたい」と協力を要請し、小宮山宏座長(三菱総合研究所理事長)は「視野を広げ、スピード感を持って取り組むべき」と指摘した。
コンソーシアムでは、最新技術の現場導入のための新技術発掘や企業間連携の促進、3次元データ利活用促進に向けたデータ標準やオープンデータ化、アイ・コンストラクションの海外展開などの事業を進める。
準備会は企画委員会に改称し、その下に①技術開発・導入WG②3次元データ流通・利活用WG③海外標準WG―の作業部会を設け、具体的な方策を検討していく。
委員からは「データの権利やセキュリティの調整が必要」「大きな工事だけでなく、地方自治体が行う中小の工事まで浸透して初めて成功と言える。技術やビジネスのレベルが企業では異なるので、置いてきぼりにならないような進め方を」「技術を現場で試すトライアルができるフィールドを提供していただきたい」などの意見が出た。
〈記者の眼〉
政府の働き方改革実現会議で安倍総理は「ロボットからビッグデータ、AIまでデジタル技術の活用が進む中で、働き方も間違いなく変わる」と発言した。コンソーシアムの大きな狙いは建設分野以外の関連企業を巻き込むことで裾野を広げ、新たなビジネス機会の創出を図ること。アイ・コンストラクションを通じて蓄積された3次元データは、オープンデータ化することで、さまざまな分野で利活用される可能性が出てくる。これからは新たな建設現場が生まれるということを、まずは現場の当事者が認識し、意識を変える必要があるだろう。