【国交省就任インタビュー】 「ICT土工を浸透させる」勢田昌功 公共事業企画調整課長
2016/10/21インタビュー
建設メール
国土交通省総合政策局の勢田昌功公共事業企画調整課長は、建設専門紙の就任インタビューでICT土工の取り組みについて、「これまでも情報化施工は行われてきたが、今回は本気度が違う。一日でも早く裾野を広げて、ICT土工を浸透させることが一番の任務だと思う」との考えを示した。
ICT土工を地方自治体まで広めることは「最後の目標」としながら「まずは直轄工事で地元の建設業者ができるような工事規模までしっかりと広げきること。そこで見えてきた課題を解決していくのが先だと思う。ただ時代の流れは速いので並行して裾野を広げる取り組みは考えていきたい」と話す。
今後のロボット技術については「機械の技術でどこまで作業を効率化できるのかを見極めることが大切。今はICT土工で施工時の議論をしているが、これからはメンテナンスに関しても、どれだけ技術や機械を導入できるかがポイントになる。ただ維持やメンテナンスは特に難しい。壊れる箇所はまちまちで痛み方も復旧方法も違う。点検も相当な責任のもとで判断し、熟練者がやられているというリスクも含めて機械で代用できるかが大きな壁だと思うが、建設労働者が減っていくことを考えると、避けては通れないチャレンジしていくべき分野」と指摘する。
近く設置されるインフラメンテナンス国民会議に関しては、「民間企業も関心を持っており、この世界に参入してメンテナンスという大きな市場の中で役割を果たしていただきたいと思う。国民会議ではメンテナンスの意識を広げることと、技術者が減っている地方自治体の体制をどのようにサポートできるのかというところまで議論していきたい」と展望を語った。
【略歴】せた・まさのり
1987年大阪大学大学院土木工学科修了、建設省入省。国交省大臣官房技術調査課建設システム管理企画室長、総合政策局事業総括調整官、中部地方整備局河川部長を経て本年10月から現職。1963年生まれ。53歳。大阪府出身。趣味は登山で、南アルプスには2回登ったという。