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【国土交通省就任インタビュー】 不動産・建設経済局建設業課長 岩下泰善氏「現場が働きやすい制度を」
2022/08/29インタビュー
建設メール
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岩下泰善課長
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国土交通省不動産・建設経済局建設業課の岩下泰善課長は、入省の振り出しが建設業課で今回が3回目の勤務となる。「原点に戻って来ることができた。当時から地域を支える建設業が地域経済にとって非常に大事で、信頼される業界にならなければいけないと思っていた。入札制度企画指導室長時代には新・担い手3法の改正に携わり、働き方改革に向けた適正な工期設定や施工時期の平準化が必要であり、担い手の確保が大きな課題であることを痛感した」と振り返る。
その後、赤羽一嘉前大臣の秘書官として大規模災害の被災現場等を視察する中で「地元の建設業者が自らも被災者でありながら地域のために頑張っている姿を目の当たりにした。地元を支える建設企業はなくてはならない存在であり、将来にわたって地域を支えるためにも、働き方改革を進め、若い人から入っていただけるような環境を作っていくことが一番の役割」との考えを示す。
建設業課では、8月に建設資材価格の高騰や建設技能者の処遇改善、重層下請構造の在り方などをテーマとする「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」を立ち上げて検討を始めた。「非常に重いテーマだが、価格高騰の段階にある時期に発注者とのリスク分担の在り方や信頼関係、透明性確保などを議論する必要があると思う。人口が減少する中で公共工事、民間工事もそれほど増えていかない状況になるのであれば、長い目で見れば透明性が高く、利益も確保できるような契約が必要になってくる」と指摘する。さらに「厳しい競争環境になると、どうしても下請け企業や現場にしわ寄せが行きやすいことが課題。設計労務単価が上がっていても現場で働く技能者の処遇改善に反映されていないとも言われ続けている。重層下請構造も含めて、現場の意見も聞きながら現場の人たちが働きやすい環境づくりや制度の検討を心掛けたい」と強調する。
地方自治体との連携に向けては「最近はダンピング対策や平準化の取り組み状況などを『見える化』して伝えている。ダンピング対策などの必要性を理解してもらい、制度を作ってもらうために不断の働き掛けをしていきたい」と考えている。
【略歴】いわした・やすよし
1996年慶応義塾大学法学部卒、建設省入省。国交省土地・建設産業局建設業課入札制度企画指導室長、住宅局住宅企画官、大臣官房秘書室・赤羽一嘉国土交通大臣秘書官事務取扱、住宅局住宅総合整備課長を経て本年7月1日付で現職。49歳。長野県出身。趣味は家族旅行。
