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プロジェクト賞の大和トンネル拡幅工事
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土木学会インフラメンテナンス総合委員会は15日、2年目となる「インフラメンテナンス賞」の授賞対象を発表した。プロジェクト賞6件、チャレンジ賞10件、エキスパート賞8件、マイスター賞14件、特別賞1件、優秀論文賞6件の計45件を選出した。
昨年の第1回との比較について塚田幸広専務理事は「2回目という事でプロジェクト賞の応募数などは落ち着いた感がある。一方、エキスパート賞とマイスター賞という個人への表彰には多くの推薦をいただいた。メンテナンス技術を継承する技術者にスポットを当てることができた」と総評を語った。
各賞の選考範囲は、プロジェクト賞がインフラメンテナンスにより地域のインフラの機能維持・向上に顕著な貢献をなし、地域社会の社会・経済・生活の改善に寄与したと認められるプロジェクト。チャレンジ賞が点検・診断、設計、施工・マネジメント等の個別または組合せ技術を駆使し、地域のインフラメンテナンスに寄与した取り組みもしくは創意工夫によりインフラメンテナンスに対する管理者、市民等ステークホルダーの意識の向上が認められた取り組み。
エキスパート賞はインフラメンテナンスに関する極めて優れた技術または技能を有し実務において顕著に活躍している個人。マイスター賞はインフラメンテナンスに関する技術やマネジメント全般において、豊富な実務経験に基づく卓越した総合的かつ指導的能力を有し顕著に活躍している個人。優秀論文賞は実践研究論文に登録される論文の中から編集小委員会から推薦のあったもの。
今回は全国から90件(前回は178件)の応募があり、表彰小委員会による選考を経て選出された。
表彰式は2月27日・28日にオンライン開催する第2回インフラメンテナンス・シンポジウム内で実施する。
授賞一覧は次の通り※敬称略
【インフラメンテナンス プロジェクト賞】
①マタディ橋保全計画(送気システム導入)及びマタディ橋維持管理能力向上プロジェクト橋梁点検機材据付支援業務・橋梁検査車導入(プロジェクト主体:国際協力機構)
②東名高速道路大和トンネル拡幅事業(プロジェクト主体:中日本高速道路東京支社)
③「ドライブレコーダー×AI」を活用した空港滑走路の調査及び点検(プロジェクト主体:南紀白浜エアポート)
④分岐器融雪ピット~降雪期における分岐器不転換防止対策~(プロジェクト主体:北海道旅客鉄道鉄道事業本部工務部工事課)
⑤高速道路リニューアルプロジェクトにおける円滑な交通確保の取り組み(プロジェクト主体:東日本高速道路北海道支社札幌管理事務所、関東支社京浜管理事務所、新潟支社長岡管理事務所)
⑥稚内港北防波堤ドーム予防保全事業(プロジェクト主体:国土交通省北海道開発局 稚内開発建設部 稚内港湾事務所)
【インフラメンテナンス チャレンジ賞】
①トラック積載型システム作業床「フラップリフト」開発プロジェクト(取り組み主体者:大林組)
②高校生との協働による道路インフラメンテナンスの取組(取り組み主体者:岩手県)
③まいど通報システム(取り組み主体者:大阪府)
④宅地地盤相談制度の確立および地盤災害に向き合う共創の場の構築と実践(取り組み主体者:地盤品質判定士会神奈川支部)
⑤電気探査を活用した堤内地の詳細な地盤情報を反映した堤防の浸透に対する安全性照査手法(取り組み主体者:国土交通省四国地方整備局那賀川河川事務所、応用地質)
⑥センサBOXだけで始められる傾斜・伸縮監視システムOKIPPA~インフラ点検業務の省力化への取り組み~(取り組み主体者:西松建設)
⑦桟橋上部工を対象とした点検ロボットと診断支援システムの開発(取り組み主体者:海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所)
⑧インフラメンテナンス国民会議 九州フォーラム テックシニアーズ(取り組み主体者:インフラメンテナンス国民会議九州フォーラム)
⑨橋梁の予防保全型維持管理への移行を踏まえた道路ストック包括的民間委託(取り組み主体者:田原本町・奈良県、大阪公立大学、オリエンタルコンサルタンツ)
⑩近畿地方における市町村の橋梁メンテナンスサポートと「目安箱」の設置(取り組み主体者:災害科学研究所社会維持管理研究会、近畿建設協会)
【インフラメンテナンス エキスパート賞】
①伊東 寛之(いとう ひろゆき)
②金本 功(かねもと いさお)
③末岡 英二(すえおか えいじ)
④内藤 幸美(ないとう ゆきみ)
⑤平手 克治(ひらて かつはる)
⑥藤原 博明(ふじわら ひろあき)
⑦松田 芳範(まつだ よしのり)
⑧Luiza H. Ichinose(るいーざ えいち いちのせ)
【インフラメンテナンス マイスター賞】
①石橋 忠良(いしばし ただよし)
②伊藤 賢一(いとう けんいち)
③小山内 政廣(おさない まさひろ)
④上阪 康雄(こうさか やすお)
⑤實延 栄二(じつのぶ えいじ)
⑥髙木 千太郎(たかぎ せんたろう)
⑦谷倉 泉(たにくら いずみ)
⑧内藤 英晴(ないとう ひではる)
⑨成井 信(なるい しん)
⑩西川 和廣(にしかわ かずひろ)
⑪松田 浩(まつだ ひろし)
⑫松田 好史(まつだ よしふみ)
⑬水口 和之(みずぐち かずゆき)
⑭山本 和利(やまもと かずとし)
【インフラメンテナンス 特別賞】
①写真を通じたインフラメンテナンスの重要性と魅力の発信(取り組み主体者:山崎エリナ)
【インフラメンテナンス 優秀論文賞】
①富山市における生活道路上の道路トンネルのメンテナンス事例(第一著者:大懸重樹 富山市建設部道路構造保全対策課)
②感潮河川にかかる橋梁の下部構造に対する非破壊調査の適用について(第一著者:後藤幹尚 大田区都市基盤整備部建設工事課)
③鋼橋の疲労き裂に関する近接目視点検訓練シミュレータの開発(第一著者:藤原俊輔 首都高速道路技術センター)
④付着物除去不要な鋼矢板の板厚計測の開発(第一著者:石川敏之 関西大学)
⑤JR東日本における既設山岳トンネルの耐震対策に関する技術資料の制定(第一著者:北川一希 東日本旅客鉄道)
⑥道路橋の震後調査の効率化・高度化に向けた3次元レーザスキャナの試行検討(第一著者:林 祐葵 国立研究開発法人土木研究所構造物メンテナンス研究センター)