見たもん勝ち ～建設業応援団～
【所信表明】 持続的賃上げ図る／強靱化へデジタルの力
2023/10/23建設時事
建設メール
第212回臨時国会で23日午後、岸田文雄内閣総理大臣が所信表明演説を行った。頭にあるのは「変化の流れを絶対に逃さない、掴み取る」の一点だとし、まずは経済、さらにデジタル化など社会、外交・安全保障などへの取り組みを示した。経済面での持続的な賃上げをはじめ、国土強靱化でのデジタル導入、広域交通ネットワーク構築などを掲げている。
経済では、「低物価・低賃金・低成長のコストカット型経済」から「持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済」への変革を進めるとし、思い切った「供給力の強化」を3年程度の変革期間を視野に集中的に講じる。
供給力の強化は、大型投資などのほか、賃上げ税制を強化するための減税措置や、戦略物資について過去に例のない投資減税、人手不足に苦しむ中堅・中小企業の省力化投資に対する補助制度など抜本的な供給力強化への措置を講じる。突発的なエネルギー価格高騰に備えた省エネ・脱炭素投資のさらなる拡大を図る。また、AI、自動運転、宇宙、中小企業の海外展開などの支援も強化する。
社会に対しては、人口減少、国民のニーズの多様化・複雑化に応えた新たな地域の仕組みを作り上げていかなければならないとし、デジタル行財政改革を起動する。
地方創生を支える中核は地域の中小・小規模事業者と位置付け、持続的な賃上げが可能となるよう、省人化投資やデジタル投資の支援、賃上げ費用の転嫁対策を強力に進める。
国土強靱化に関しては、線状降水帯の予測の高度化など、デジタルの力を導入する。リニア中央新幹線の整備に向けた環境を整え、災害時も途切れない広域交通ネットワークの構築を進める。離島地域などの電力供給強靱化へ電線地中化を加速する。
防衛力の抜本強化は外交の地歩を固めるためにも重要。国民の命と領土・領海・領空を断固守り抜くため、5年間で43兆円の防衛力整備の水準を確保し、速やかに実現するとした。
持続的な賃上げに加えウェルビーイングを拡げ、「明日は今日より良くなる」と信じられる時代を実現すると話し、先頭に立って取り組むと語った。
