見たもん勝ち ～建設業応援団～
【国土強靱化】 賃上げ施策具体化へ／地域の守り手の担い手確保
2023/10/25建設時事
建設メール
国土交通省は19日の国土強靱化推進本部で、防災・減災、国土強靱化の推進について説明した。整備効果について事例を示すとともに、気候変動を踏まえ、取り組みをさらに強化していく必要を訴えている。また、建設業の担い手確保に向けた新たな賃上げ施策として、賃金支払の原資確保に資する施策の強化に向けて、法令改正を含め措置の具体化を進める。
気候変動に伴う降雨量の増加などによる自然災害の激甚化・頻発化、大規模地震の切迫に加えて、高度成長期以降に集中的に整備されたインフラが一斉に老朽化するといった懸念がある。今後、防災・減災、国土強靱化について、さらに取り組みを強化していく必要がある。
地域の守り手としての役割が期待される地域建設業。急務とされる担い手確保に向けては、新たな賃上げ施策を展開する。これまで、公共工事設計労務単価の引上げをはじめ、さまざまな取り組みで建設分野の賃金は着実に上昇してきているが、今後も未来を支える担い手の確保・育成のため、優れた技能レベルや厳しい労働環境にふさわしい賃上げに取り組む必要がある。
さらに、適正な労務費が確保された下請契約を徹底し、資材価格の適切な価格転嫁対策を講ずるなど、賃金支払の原資確保に向けた施策の強化へ、法令改正を含む措置の具体化を進める。
具体的には持続可能な建設業に必要な「標準的な労務費」を中央建設業審議会が勧告。適正な賃金支払の保証や支払った賃金の開示を注文者に約束させる取り組みの拡大。資材価格が変動した際に、賃金原資がしわ寄せされないよう、請負代金額の変更協議に関するルールを明確化することなどを検討している。
