〈耳寄り〉 宅建士試験の女性受験者は過去最高
2016/12/05コラム
建設メール
本年度の宅地建物取引士資格試験の実施結果が11月30日に発表され、3万589人が合格した。前年度比で561人増加(1・9%増)したものの、男性は前年度比で微減であり、女性の合格者が582人増えたことが大きな特徴といえる。
女性受験者数は6万人に迫る5万9753人で、過去20年で最大値を更新した。この結果について「総合資格学院」を運営する総合資格(本社・東京都新宿区)では「資格取得を通して、宅建士として女性が活躍できる社会環境が広がっている。企業や自治体が女性活躍の施策を取り入れる中、業界団体も女性の就労環境の改善や積極採用、定着に取り組んでいる」とし、今後も女性による宅建士資格取得の機運がさらに高まるとみている。
また、合格者の職業別構成比では、学生が2007年度以来、初めて11%台を超えた。ちなみに建設関係は10%、主婦は4・4%だった。最年少合格者は16歳の男性で、18歳未満では男性17人、女性2人の計19人が合格した。本年度の結果からは女性や若年層による早期資格取得の傾向が表れており、来年度以降も受験人口の増加が続くと考えられる。
同社では本年度の試験内容について「宅建士の実務に必要な知識が問われた」と分析しており、重要事項説明が煩雑になるなど、有資格者の役割と需要が増加している現状がうかがえる。
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従前の「宅地建物取引主任者」から、名称が「宅地建物取引士(宅建士)」に変わって2年が過ぎた。難関資格でありながら若者や女性の受験者が増えていることは「士業」の価値をよく認識しているからだろう。その一方で「士業」となることで、より高いレベルの専門性に加えて品位も求められており、合格に向けて競争が一層厳しさを増したといえそうだ。
〈K〉