〈耳寄り〉 トランプ大統領誕生で先行きに不透明感
2017/02/06コラム
建設メール
アメリカでトランプ新大統領が誕生したことに伴い、国内の各業界からは先行きを不安視する声が相次いでいる。帝国データバンクが発表した2017年1月の景気動向調査(全国)でも、はっきりとその傾向が表れており、「トランプショックで回復傾向が足止め」となり、アメリカの政策で世界経済に不透明感が強まるとの見方を示した。
業種を問わず共通する企業の声は「トランプ大統領による保護主義的な政策が日本の国内経済をさらに悪くしそう」というもので、不確実な要素が多いことから先行きを懸念する意見が目立つ。また、「大統領就任を目前に受注が見送られている」と話す化学工業製品製造業者もいた。
建設業界も例外ではない。「トランプ氏の政策により、国内景気の先が読みにくい」との意見も出ており、新大統領の動きを注視する関係者も多い。ただ選挙時の公約どおりにアメリカで大規模なインフラ投資が行われることへ期待を寄せる関係者もおり、それぞれの立場によって期待と不安が相半ばとなっているようだ。
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トランプ大統領の経済政策「トランプノミクス」により為替レートの変動などを通じて日本経済へのマイナスの影響が懸念される。特にアベノミクスの金融緩和政策の継続が危ぶまれるようだと国内景気の下支え要因が無くなってしまう。
国内の公共事業は国の第二次・第三次補正予算の早期執行などにより、当面は大きな影響がないと思われるが、好調な民間工事の投資や資材価格に悪影響が出てくれば、徐々に地方を含めた公共事業の執行に影響を及ぼす可能性も否定できない。いずれにせよ、建設業界も当面はアメリカの政策を注目しておく必要があるだろう。