見たもん勝ち ～建設業応援団～
〈日々の栞〉 廃校舎の新たな姿
2025/05/08コラム
日々の栞
▼近年、小中学校は地方を中心に、その数を減らしつつある。少子化に伴い、統廃合を進めているためだ。他校を吸収した学校は新築・改築の上、生徒も増えるのだから良いものだが、廃校になった学校の歴史はそこで途絶えることとなる。学びや交流の多様性を保つため、仕方のない措置かもしれないが、少子化の現実を突きつけられるような感覚を覚える
▼しかし廃校となった学校が、新たな形で役目を持つケースも増えている。生徒数の減少を理由として廃校に至った場合、校舎自体は一部改修を行うことでまだまだ使用できることがあるようだ
▼新潟県村上市では、旧神納東小学校の校舎棟を「きらきら子育て支援センター」としてリニューアルした。また、同校体育館には滑り台などを設置し、屋内遊び場として供用。学校としての役目は終えても、また違う形で子どもたちの成長を見守ることができ、校舎も喜んでいる…のかもしれない
▼同県新発田市の旧天王小学校は、シェアオフィス「キネス天王」として整備。市内産業の発展に寄与する施設として生まれ変わった。開放的な造りのため、企業間の交流増加による事業連携、ビジネスチャンス創出にも一役買っているようだ
▼先日、同市が新たなシェアオフィスとして旧本田小学校を改修するとの情報を手に入れ、現場へ向かった。正面に目を引く丸窓を持つ校舎に、交通ルールの指導で使われていたであろう4基の小さな信号機。外観に特徴はあっても、使用者のいないその校舎からは、施設の本来持つ表情を感じない。鳥たちのさえずりを受け、寒空の下、今は静かにたたずむのみだった。（新潟・GS）
