【17年度予算】 国交省と厚労省が連携し人材確保・育成策
2017/04/24建設時事
建設メール
建設業の人材確保・育成策を連携して進める国土交通省と厚生労働省は、2017年度の関係予算をまとめた=表参照=。①人材確保②人材育成③魅力ある職場づくり―の3つが重点事項となり、両省が現状認識を共有しながら、相互の施策を支援していく。
人材確保の主な取り組みのうち、国交省は目標年次を迎えた社会保険未加入対策では、保険加入状況の実態を総括的に把握するとともに、取り組みの成果と残された課題を検討する。厚労省では建設労働者確保育成助成金による支援として、中小建設事業主が35歳未満の若者や女性を対象にトライアル雇用を行った場合の支援措置である奨励金に上乗せを行う助成制度を創設するほか、雇用管理制度を導入する事業主への助成を拡充する。
人材育成に関して、国交省では計画的に女性技能者の入職・定着に取り組む企業や団体に対する支援と情報発信、若者向けにキャリアパスの「見える化」を進める。厚労省は建設分野における公的職業訓練の拡充を図り、パソコンスキル講習等を組み合わせた「総合オペレーション科」の継続実施、求職者支援訓練における建設人材育成コースの実施を計画している。中小建設事業主等への支援は昨年度と同額の事業費を確保した。
魅力ある職場づくりの推進では、国交省は多様な入札契約方式の導入・活用促進等の「担い手3法推進サイクル」の強化として、市町村をはじめとした地域レベルにおける施工時期の平準化等の調査、先進的な取り組み事例の収集・効果分析などを進める。厚労省では建設工事の発注・設計段階における労働災害防止対策を促進するため、安全衛生経費の確保を啓発するほか、工事の安全性に配慮した建築物等の設計が普及するように国内外の調査を実施する。