【今後の道路施策】 予算・財源の枠組みで新たな制度設計を
2017/05/16建設時事
建設メール
国土交通省が16日に開いた社会資本整備審議会道路分科会の基本政策部会で今後の道路施策の展開に向けた建議の骨子案が固まった。メンテナンスや防災・インフラ安全など9つの分野で具体的な提案を盛り込むとともに、道路施策の推進に必要な予算・財源については安定的・持続的な確保が重要であり、現在の予算・財源の枠組みを適宜見直し、新たな制度設計も必要とするなど施策の進め方も提案する。
最新のICT技術など新技術を最大限活用することにも言及し、自動車等の技術革新の進展や道路の使われ方の変化、インフラ側の対応について、感度を上げ、発想を柔軟に議論すべきとした。
また、実施した施策を的確に評価する仕組みとして、費用便益比(B/C)のみではなく、さまざまな効果を確実に把握し、国民にどのように役立っているかを計測するシステムなど消費者や国民目線での検討を求める。
道路施策の具体的提案における今後の方向性のうち、メンテナンス関係では、地方自治体が管理する道路施設について利用状況などを踏まえた橋梁等の集約化・撤去を進め、管理施設数を削減することや、各道路管理者が適切な管理を持続的に実施するために必要な予算を安定的に確保する方策の検討などを盛り込む。
交通安全の関係では、道路構造令への「自転車車線(仮称)」の導入、踏切対策における立体交差事業について段階的な対策の推進とともに、着工準備段階における協議・調整等への集中的な支援の必要性を示した。
防災・インフラ安全の関係では、大規模災害への対応や集中豪雨・大雪への対策強化に加えて、無電柱化の推進を提案。低コスト手法の導入に向けたモデル施工、道路事業等の実施に合わせた電柱の新設抑制と既存電柱の撤去推進などを求める。