【関東甲信地域】 週休2日取り組み活発化/都県でも進むICT活用
2017/05/18建設時事
建設メール
関東地方整備局管内の1都8県・5政令指定都市・独立行政法人などは公共工事の諸課題に関する意見交換会において、担い手確保・生産性向上などに関する取り組み状況と方針を明らかにした。大半の都県で、週休2日制確保に関するモデル工事や総合評価落札方式における加点評価などの取り組みが始まっている。ICT活用工事は埼玉県をはじめ複数の都県が2017年度に発注を予定するなど、具体的な動きがみられる。若手技術者の確保で、水資源機構は若手技術者登用を促す試行の導入を模索する。
11日の意見交換会は主に、日本建設業連合会がテーマを投げ掛け、整備局をはじめとする参加機関が応じる形で進行した。主要なテーマは休日拡大に向けた環境整備を含む担い手確保の取り組み、ICTの全面的な活用など生産性向上。
都県・政令指定都市・関係機関の取り組み状況・方針は次のとおり。
【都県】
適切な工期の確保を目的に、群馬県は15年度からフレックス工期を試行。栃木県は余裕期間設定工事の試行を行う方向としている。
適切な工程管理のため群馬県は、受発注者が現場状況を的確に把握・共有できるクラウド型工程管理システムの使用を促進している。
休日拡大に向けた環境整備として、茨城県・栃木県・東京都・神奈川県・山梨県・長野県は週休2日制確保モデル工事または類似の取り組みなどを推進。埼玉県は業界が抱える問題に対応した総合評価落札方式で、4週8休確保を図る工程管理に対し、加点評価を行っている。
ICT活用工事は試行を含め、茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・東京都が17年度に発注する見込み。茨城県と埼玉県は原則、土工量1000立方m以上の工事がICT活用の対象。千葉県・山梨県はICT活用工事や情報化施工技術の試行に関する要領を策定済み。
【政令指定都市】
休日拡大に向けた環境整備について、さいたま市は17年度から週休2日制確保モデル工事を始める予定。横浜市もモデル工事の実施を検討中。川崎市と相模原市は休日拡大の取り組みに対する評価・契約方法を模索している。
ICT活用工事に関して、千葉市は実施要領(試行)を策定したほか、総合評価落札方式でICT活用などの取り組みを評価している。そのほかは国などの動向を見て検討するなどと回答した。
【関係機関】
ICT活用に関して、東日本および中日本高速道路は実施要領(案)を策定済みで、中日本は契約中の土工工事受注者とICT活用について協議を進めている。
首都高速道路は橋梁工事におけるICT活用の試行を検討中。水資源機構は大規模工事を中心にi-Constructionの推進を図る。
人材育成の取り組みとして、日本下水道事業団は一定規模以上の工事における総合評価落札方式で、若手技術者活用企業を評価している。鉄道・運輸機構は専任補助者制度の試行を導入済み。水資源機構は若手技術者登用を図る試行工事を検討するとした