【熱中症】 16年の死傷者、死亡者数は建設業が最多
2017/06/07建設時事
建設メール
厚生労働省がまとめた2016年の職場における熱中症の死傷者は前年比2人減の462人、うち死亡者は同比17人減の12人となった。建設業は死傷者数が前年と同数の113人、死亡者数は前年比4人減の7人となり、いずれも業種別では最多だった。
建設業の死亡者は、熱中症発症に影響を与える恐れのある疾患を有していたり、健康診断が未実施など基本的な対策が取られていなかった場合が多いことに加えて、災害発生場所ではいずれもWBGT値(暑さ指数)の測定を行っていなかった。
近年の熱中症による死傷者は猛暑となった10年以降も400人から500人台で推移している。今夏は全国的に気温が平年並みか平年よりも高くなることが見込まれるため、熱中症による労働災害の発生が懸念される。厚労省では予防対策として9月末まで「クールワークキャンペーン」を実施中で、個々の労働者に水分・塩分の摂取を呼び掛けるだけでなく、関係業界団体へ関連情報を周知する取り組みなどを重点的に進めていく。
なお、国土交通省では16年度末に同省発注工事における熱中症対策として、土木工事安全施工技術指針を改定するとともに、建設現場の熱中症対策事例集を作成、公表するなど、現場の環境改善策を進めている。