【橋建協】 魅力ある業界アピール/坂本眞新会長インタビュー
2017/06/09インタビュー
建設メール
本年5月に日本橋梁建設協会(橋建協)の新会長に就任した坂本眞氏は、建設専門紙のインタビューに答え、「橋建協は1964年、前回の東京オリンピック時に誕生した53年の歴史を持つ協会で、責任の重さを感じる。道路橋の新設は99年に80万tあった発注量が昨年には20万tを割ってしまっている。このような時だからこそ各社の意見を集約して魅力ある業界をアピールしたい」と就任の抱負を語った。
事業環境については「2000年に76社だった会員数も現在31社。それでも発注量に比べ供給能力は落ちていない。つまり事業量が足りていない状況下にある。ただ本年度の事業量が過去の例から22万t台になると予想され、回復傾向が見られる。各社の危機意識は高く、協会も襟を正して前に進んでいきたい」と説明した。
課題としては、「やはり発注量の確保と安定だが、路線計画の推進と公共事業の採用に向けてアピールする。具体的には高速道路ネットワークの早期完成、暫定2車線区間の4車線化へのプロジェクト対応などを推進していく。協会の持つノウハウを提供し、各事業を支援する」と意欲をみせる。
担い手の確保に向けては「適切な契約関係の構築がメーン。調査基準価格上限の撤廃など、労働環境の待遇改善につながる措置をお願いしていく」と述べた。また、週休2日制拡大に向けて「生産性向上が中心になるが、下請費用や各種経費の増加をお願いしながら、適正な形で運用出来るようにしたい」とした。
注目されるi-Bridgeに関しては「協会内で4月に技術委員会の下に推進ワーキンググループを設置した。基本的には設計と計画の効率化、3Dの設計データを工場製作データと連携した取り組みを進めたい。まずはIT化が進んでいる工場生産と設計に着手。それから現場の生産性を上げるIT技術、一括架設といったものに取り組んでいきたい。またICT以外の部分で生産性や安全性を向上させるものを探る」との方向性を示した。
安全対策・事故防止については「昨年、鋼橋架設工事における安全対策の基本的考え方、事故防止対策の冊子を作成した。これらを実践してもらいたいし、これからも指導していく」と語った。
【略歴】さかもと・まこと
1975年早稲田大学理工学部土木工学科卒、同年清水建設入社。2015年東京鐵骨橋梁(現・日本ファブテック)代表取締役社長。17年日本橋梁建設協会会長就任。53年2月12日生まれ。