〈耳寄り〉 根気強い人は建築家向き
2017/06/12コラム
建設メール
建築家に向いていると思われる性格は「根気強さ」。総合資格学院を運営する総合資格(東京都新宿区)が、本年1月に都内の同学院に通う1級建築士試験合格者に対して行ったアンケート調査で、半数が根気強い性格がまずは必要と回答した。「責任感が強い」「好奇心旺盛」との回答も多く、社交性と協調性があることも大切だという結果になった。
また、約3割が大学生・短大生から1級建築士になろうと誓っているが、1割は中学生までに1級建築士を志していたことも判明した。ただし一番の動機は「今の仕事で必要」と約半数が回答しており、昇格・昇給を含めて資格を取ることで今後の展望が開けると考えている人が多い。
1級建築士試験の受験者のほとんどが仕事をしながら合格を目指している。大半は「すき間時間」を有効活用して勉強しており、通勤・通学中や昼休みなどの休み時間を活用しているという。
また、現場監督をやってほしい有名人は男性1位が長谷部誠さん、女性1位が澤穂希さんとなり、男女ともにサッカー選手で、日本代表のキャプテンを務めたという共通点がある。1級建築士の「たまご」から見ても、建設現場で陣頭指揮を取るために、リーダーシップが欠かせないと考えているようだ。
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難関資格として知られる1級建築士試験合格者の素顔が浮かび上がった今回のアンケート調査は、同社では初の試み。1級建築士を志した時期を「小学生以下」と回答した人が約5%いたことも分かり、有名な建築家や建築物を見て、小さなころから建築士を目指す人も多いことが読み取れる。まさに地道な努力が実を結んで夢の実現につながったといえる。今後は建築士や建築家が、小・中学生が憧れる職業で上位になるように、「根気強く」処遇改善と地位向上を図る必要があるだろう。