【業務の履行期限】 平準化へ3月納期が減少傾向
2017/06/14建設時事
建設メール
国土交通省の直轄工事で施工時期の平準化が進む中、直轄業務における履行期限の平準化も着実に前進していることが分かった。測量・地質調査・土木関係建設コンサルタント業務の履行期限について、国交省では当該月に履行期限を迎える業務件数の比率を、4月~12月、1月~2月でそれぞれ25%以上、3月は50%以下を当面の目標に掲げている。2016年度の実績は1月~2月が25・3%で目標以上、4月~12月は9・0%、3月は53・8%だったが、いずれも15年度実績から改善した。3月の履行期限は全業種で減少傾向にあり、特に測量は34・1%で、前年度から10ポイント以上減っている。
翌年度へ繰り越した業務は11・8%で、当初計画の5・0%から大幅に増えている。繰越制度の活用割合は年々増加傾向にあることから、履行期限が厳しい場合は無理に年度内を期限とせず、柔軟に繰越制度を活用している状況がうかがえる。
国交省では工事での平準化の取り組みも踏まえて、業務の発注サイクル見直しに向けた必要な制度を検討している。当面の対応として橋梁詳細設計で設計条件確定に必要な期間を見込んで履行期間を設定する試行を実施するほか、それ以外の詳細設計でも工種ごとに必要期間を検討する意向で、建設コンサルタンツ協会と協議しながら検討を進める。
さらに、ゼロ国債活用工事の発注には当該年度の中ごろまでに業務成果の納品が必要となるため、納期の分散とともに、繰越や翌債を適切に活用することにより適正な履行期間を確保した上で、履行期限の平準化を図る。