【関東整備局】 効果見込める事業でCIMを積極活用
2017/06/14建設時事
建設メール
関東地方整備局は2017年度以降、建設生産システムの効率化・高度化を目的としたCIMについて、積極的に活用を図る方針で臨む。3月に策定されたCIM導入ガイドライン(案)を踏まえ、効果が見込まれる事業での実施を検討するとともに、運用上の課題解決に向けた検証を進める。
CIMは計画・調査・設計段階から3次元モデルを導入、施工・維持管理の各段階において連携・発展させることで、事業全体を通して関係者間の情報共有が容易になり、建設生産システムの効率化・高度化を図ることができる。試行を開始した12年度以降、橋梁分野を主な対象として、稼働中を含め19件の工事または業務にCIMを活用した。今後はガイドラインに基づき、初期の工程に負荷をかけて後の工程における仕様変更や手戻りを防ぐフロントローディングや可視化による関係者協議・合意形成の迅速化など、効果が見込まれる事業への活用を検討する。
対象事業・活用件数は国土交通省本省と調整して決定するが、ガイドラインには全分野共通編のほか、土工・河川・ダム・橋梁・トンネルの各分野編が用意されていることから、活用範囲拡大や件数増加が想定される。当面は3次元モデルを補完的な扱いとし、現行の契約図書に基づく2次元図面による工事・業務の発注・実施・納品を前提とするものの、将来的に3次元モデル単独での運用に移行する方向となっている。
また、運用上の課題である受発注者間の3次元モデルデータ共有方法、各構造物における属性情報表記標準の検討、3次元モデルを用いた数量自動算出、3次元管理基準策定などに関して検証を重ねる。
なお、ガイドラインはソフトウェアの機能向上、関連する基準類の整備に応じて継続的に改善・拡充することになっている。