【社会保険】 法定福利費と賃金支払い状況の実態把握へ
2017/06/16建設時事
建設メール
国土交通省は社会保険の加入状況および法定福利費や賃金の支払い状況に関する実態調査に乗り出す。建設業許可業者から一定数の企業を抽出し、7月以降にアンケート調査票を送付する。調査を通じて5年間の社会保険未加入対策を評価するとともに、国、自治体、民間発注、元請けの規模など工事の種類別の法定福利費支払い傾向の違いや、地域、下請け次数、業種、年齢など社会保険未加入の企業・作業員の属性を把握した上で、今後の対策検討につなげる。
昨年度までの社会保険未加入対策の結果、加入率は着実に伸びているものの、現場からは「社会保険への加入や法定福利費の支払いは現場により違いがある」「小規模自治体や民間工事では末端まで法定福利費が行き渡っていない」「近年の労務単価の上昇ほど建設技能労働者の賃金は上がっていない」との声が出ている。
そのため今回の調査では、発注者から元請け、元請けから下請けへの法定福利費の支払い状況、下請け企業から職人に支払う賃金の状況や傾向、未加入の企業や作業員の属性把握を目指す。1万社を超える許可業者が対象になり、下請けまで法定福利費がしっかりと行き渡り、単価の上昇が職人の賃金に反映されているかどうかという、本当の実態を調べる考えだ。
調査結果は年末にも開く建設業社会保険推進連絡協議会で報告する。