〈i-Column〉 周辺産業の担い手も重要
2017/06/16記者の目/論説
建設メール
建設産業で担い手の確保・育成が喫緊の課題であることは、あらためて言うまでもないが、建設産業を取り巻く周辺産業でも担い手の確保が急務となっている。実は建設現場に欠かせない交通誘導員や資材などの運搬を担う貨物自動車運転手の有効求人倍率が2009年度から一貫して上昇中なのだ。16年度の倍率は貨物自動車運転手が約2倍で、保安の職業は6倍を超えている。
10年後の建設産業を見据えた政策を検討する建設産業政策会議のとりまとめ案では、周辺産業の人手不足の影響を緩和する方策も提言する。例えば資材搬入を担う物流業者との連携強化や、交通誘導員の担い手不足に対応した関係機関、警備業団体との連携強化が盛り込まれる見通し。裾野が広い建設産業ならではの課題ともいえるが、技術者・技能者のみならず、発注者、技術者等を育成する教員など、あらゆる関係者がいなければ成り立たない産業であることを再認識する必要があるだろう。
ただしピンチはチャンスでもある。建設産業が元気になり、地方でも仕事があるという環境に変われば、これまで建設産業に関係がなかった人でも働きたいと思うようになるはずだ。当然ながら、ほとんどの現場で週休2日が実現していることが大前提ではあるが。〈K〉