【女性活躍推進会議】 先進事例参考に実践的取り組み探る
2017/06/20建設時事
建設メール
国土交通省が主催する初の建設産業女性活躍推進会議が20日に都内で開かれ、全国で進む女性活躍の具体的な事例を題材に産学官の関係者がさらなる女性の入職・定着に向けた方策について活発に意見交換を行った。
冒頭、土地・建設産業局の谷脇暁局長は「建設業の現場に女性がたくさん入っていただけなければ現場が成り立たなくなる。建設業には女性の方が向いている仕事も多い。事例を参考に実践的な取り組みにつなげられるようにしたい」と述べた。
事例発表は、▽静岡県交通基盤部建設支援局建設業課の岡田結美氏▽北海道ブリリアント会会長で石山工務店の石山かほる・専務取締役▽三承工業の西岡徹人・代表取締役▽由井電気工業の由井健太郎・代表取締役▽日本建設業連合会けんせつ小町・長谷工コーポレーション浦和駒場計画作業所の早坂淳子・総合所長の5人が行った。
静岡県建設業課では、工業高校生を対象に、けんせつ小町が活躍する現場見学会や女性技術者による出前講座などを進めた結果、見学会参加者が実際の入職につながった事例などを紹介した。
また、三承工業と由井電気工業は、女性社員の定着率を上げる取り組みや社内環境、企業風土の改善を進めたところ、売上高、業績が順調に増加していることを報告した。
意見交換では、有識者や参加者から「技術開発が進み力仕事が減ると女性の活躍する場も広がっていく」「建設業界は女性にとっても良い職場であることを、いろいろな人に知ってもらう必要がある」「個々の発信力は弱いが、横のつながりでまとまって声を出すことが大事」「これから5年、10年先を考えれば男性も女性も同じような環境で同じように働ける職場を目指さなければいけない」といった声が出た。
最後に谷脇局長は「個社の努力と横の連携、建設業界の外への働き掛け、トップの姿勢が大事であると感じた」とした上で、建設業界団体や行政も含めて、世の中に対し建設業界の姿や政策を示す姿勢が必要と指摘した。