【入札契約方式】 緊急度の高い災害本復旧でも随意契約
2017/07/07建設時事
建設メール
国土交通省は災害復旧時における入札契約方式適用の基本的な考え方や手続きに当たっての留意点を整理したガイドラインを作成した。応急復旧や本復旧で緊急度が極めて高い場合には随意契約を適用するほか、本復旧でも指名競争入札を行う場合の考え方を示している。また、復旧・復興工事の担い手を確保する観点から地域企業が活躍できるような措置も明記した。国交省では7日付でガイドラインを地方整備局へ発出するとともに、地域発注者協議会等を通じて地方自治体などの公共工事発注者にも周知し、参考にしてもらう。
随意契約については今回、災害復旧工事のうち発災直後から一定の間に対応が必要となる道路啓開、がれき撤去、堤防等河川管理施設の応急復旧工事や、孤立集落解消のための橋梁復旧など緊急度が極めて高い本復旧工事に対して適用するとした。契約相手の選定に当たっては、被災箇所における維持修繕工事の実施状況、災害協定の締結、企業の本支店所在地、企業の被災状況、近隣での施工実績等を勘案し、早期かつ確実な施工の観点から最も適した者を選定する。また状況に応じて、発注者が災害協定を締結している業界団体から会員企業に関する情報提供を受け、施工体制を勘案し契約相手を選定する方法も活用する。
災害復旧工事のうち、随意契約を適用しない本復旧工事で指名競争入札を行う場合は、本支店・営業所の所在地や同種・類似工事の施工実績、手持ち工事の状況を勘案し、特定の業者に偏らないように配慮しながら確実な履行が期待できる企業を指名する。ただし災害復旧で指名競争入札を適用した工事で低入札が発生している事例もあるため、ダンピング受注対策の検討を求めている。
担い手確保の観点からは、地域維持型JVや復興JV制度などの共同企業体の活用事例を参考に必要な施工体制を確保する。さらに、復旧工事では地域に精通した企業による施工が円滑で早期の復旧につながるため、地域企業の参加可能額の拡大も行う。今後の等級別の発注の見通しも踏まえ、必要に応じて等級ごとのバランスに配慮しつつ、地域企業が中心となる一般土木C等級企業の参加が可能な工事価格帯の上限を引き上げる方針だ。