【全中建インタビュー】 豊田剛新会長/処遇改善しイメージアップを
2017/07/11インタビュー
建設メール
全国中小建設業協会(全中建)の豊田剛新会長(豊田土建代表取締役会長、東京都)は就任インタビューで「処遇改善など、中小建設業と一般産業とのギャップを感じる。改善しつつイメージアップを図りたい」と今後の抱負を語った。
豊田会長は公共事業費が徐々に回復されているとしながらも、「中小企業はまだまだ厳しい。特に人手不足が依然深刻な状況。そのために品確法運用指針の徹底を図っている。ただ、発注者責任と言われているが、われわれの側の受注者責任も存在すると思う。さらに官民合わせた共同の責任もあり、その3つの割り当てにより解決できる」と持論を展開した。
会員企業を取り巻く情勢については「中小企業はまだまだ脆弱。後継者問題、長期的な見通しが立ちづらいのが現実。若年層の確保、適正な利潤についても弱点となっている」と説明した。
喫緊の課題である生産性の向上、働き方改革に関しては「大切な事項。山積する問題があるが、真摯に受け止め対策を考える」と説明。働き方改革に向けては「週休2日をはじめとする処遇改善に尽きる。他産業と比べ大きく遅れを取っている。長時間労働の是正、受発注間の適切な契約の明確化に関して早急な対応をしなければならない」とし、生産性向上については「少子高齢化対策が鍵となる。i-Constructionなど技術開発も進んでいるが、中小企業独自の対策検討も必要になる」との考えを示した。
国や自治体に対する要望については「大都市圏と地方との予算執行の格差がある。地方創生により、平準化すること。また国と地方自治の制度の違いに関しても改善を要望していく」と語った。
先日まとまった建設産業政策会議の最終報告で、中小企業に触れている点では、「地域のインフラの担い手、災害時における担い手、地域建設業・都道府県・市区町村との連携強化といった3点がポイントになっている。加えて地域建設業としての存続・発展も挙げられる」と解説した。
【略歴】とよだ・たけし
1965年10月豊田土建入社。87年3月に代表取締役社長、2016年8月から代表取締役会長。公職では10年に東京都中小建設業協会会長、17年6月から全国中小建設業協会会長。75歳。