【ICT土工】 普及加速事業が全国で始動へ
2017/07/11建設時事
建設メール
国土交通省はICT土工の裾野を中小建設業者まで拡大するため、本年度から普及加速事業を全国で始動する。現場支援型のモデル事業として地方整備局内で1つの自治体を目安に実施団体を選定し、モデル工事を通じて必要な支援を行う。先行して昨年度から取り組んでいる静岡県と茨城県は引き続き対象となる。
モデル事業では、発注者、建設業協会、測量設計協会、レンタル業協会などの関係企業・団体で支援協議会を設置し、ICT専門家の日本建設機械施工協会(JCMA)、整備局がアドバイザーとして加わり、モデル工事の実施を支援する。
先行事例では専門家による施工計画立案の支援で、3次元の施工手順モデルによる効率的な計画立案や有効なICT建設機械の提案が行われている。建機に関しては、施工効率を計算し、のり面の小さい工事ではICTバックホウは使用せず、ICTブルドーザーのみを利用するように当初から計画することで、大幅な費用縮減につながる試算を示している。
また、国交省では先行モデルを通じて、外注ではなくICT建機を購入し、3次元設計データ作成を自前で行った場合、1万立方m前後の工事を10回程度受注することで、投資を回収できるモデルもまとめている。モデル工事にふさわしい条件の例としては他工事流用土による盛土がない工事や土工作業を1カ月以上連続的に実施する工程が組める工事、変更増加する予算と隣接する施工箇所がある事業を挙げる。
国交省では地方自治体が発注するICT活用工事を実際の現場で支援しながら課題を検証し、好事例を生み出すことで、自治体職員や地域の建設業者から効果を実感してもらい、さらなる取り組み促進につなげる考えだ。