【建コン協】 ECI方式と九州地整事例が有効/課題解決へ橋建協と共同検討
2017/07/20業界動向
建設メール
建設コンサルタンツ協会(建コン協・村田和夫会長)は、本年度の地方ブロック意見交換会における提案内容を公表した。基本的な要望に加え、日本橋梁建設協会(橋建協)と共同検討を行ってきた橋梁保全事業の品質向上、円滑な事業遂行への取り組みを追加事項として提案。この中で橋梁修繕工事の技術的課題に対応した入札契約方式において、ECI方式と設計者が工事段階で関与するという九州地整で採用した事例の試行を要望する。
社会インフラの老朽化対策として、設計から施工に移行する際、現場条件などに関して設計者、施工者がそれぞれ取り組む施策だけでは解決しにくい課題が多いとされている。建コン協と橋建協は、各々抱える課題を抽出した上で、現場調査の充実を高めるため、2つの契約方式を挙げた。
ECI方式では、施工予定者が協力し橋梁修繕設計時に足場を設置。これを利用することにより、橋梁の損傷を詳細に把握できるため、設計変更の可能性は低く、成果品質が向上し、責任分担が明確になるという。
また、設計時に足場が不要と判断された現場においては、施工時に設置した足場を利用して詳細設計・工事図面を作成。その後、施工に入る九州地整の事例を提案。これにより工事段階での設計修正はなく、同地整では本年度、同様の方式で2件の契約を済ませている。
提案対象は当面、直轄管理の規模の大きい鋼橋とし、2つの入札方式を今後、意見交換会で提案する。村田会長は「まず試行案件を設定していただき効果と具体的な課題をさらに橋建協とともに検討を重ね、新たな提案を行いたい」と積極的に要望活動を進める意向だ。