【中央建設業審議会】 経審改正で地域貢献の評価拡大
2017/07/25建設時事
建設メール
国土交通省が25日に開いた中央建設業審議会(中建審)総会において、建設産業政策会議での提言を踏まえた経営事項審査(経審)や建設工事標準請負契約約款の改正内容が了承された。提言に盛り込まれた施策具体化の第一弾となり、「スピード感を持った対応」を早速実践した。経審改正では防災活動への貢献や建設機械の保有状況の評価を見直すなど、「地域の守り手」としての役割を評価し、防災等への備えで地域に貢献しようとする企業の活動を後押しする。
経審改正のうち、社会保険未加入企業や法律違反に対する減点措置などの厳格化では、社会性等を評価するW点の下限を撤廃し、マイナス値であっても合計値のまま計算する。厳格化を通じて社会保険未加入企業の加入促進を図るとともに、不正が行われない環境を整備する。
地域力強化の観点からは、W点の防災活動への貢献状況の加点幅を拡大する方針で、防災協定を締結している場合、現行15点となっている加点を、20点に変更する。
W点の建設機械の保有状況の加点方法も見直す。建設機械を保有する場合、現行1台につき加点1(最大15点)であるところ、1台目を加点5とするなど加点表を変更し、少ない台数でも建設機械を保有する企業を高く評価する。また、営業用の大型ダンプ車のうち、主として建設業の用途に使用するものを評価対象とする方針だ。
標準請負契約約款の改正では、公共約款において元請企業に対して2次以降を含む当該工事の下請けを社会保険加入企業に限定する規定を新設する。ただし条文を5種類用意し、地方自治体が実情に応じて選択、採用できるように措置する。将来的には段階的に直轄工事と同様の対応に取り組んでもらう考え。
さらに、公共工事、民間建設工事、下請契約の各標準約款において、受注者が作成し発注者に提出する請負代金内訳書に法定福利費を内訳として明示することを標準化するほか、契約解除に伴う違約金条項に関する改正も行う。
経審の改正は来年度からを想定。標準請負契約約款の改正については中建審が当事者に対して実施を勧告する。