【石井国交相】 長時間労働是正に「しっかり取り組む」
2017/07/25建設時事
建設メール
新国立競技場の建設工事に携わった建設会社の入社1年目の男性社員が長時間労働による過酷な状況の中で自ら命を絶つという痛ましい事例が発生した。国土交通省の石井啓一大臣は25日の会見で「大変に遺憾」とした上で、あらためて長時間労働の是正に取り組む考えを強調した。
他産業では当たり前の週休2日の確保が十分ではない建設業において、本年度から本格的に長時間労働の是正に向けた働き方改革が進められている。先月には関係省庁連絡会議が立ち上がり、適正な工期設定等に関するガイドラインの策定に向けた検討が始まったところ。そのため石井大臣は「関係する業界団体に対して、さまざまな機会を捉えて働き方改革に関する取り組みを要請するとともに、実行ある方策を講じ、長時間労働の是正にしっかり取り組んでまいりたい」と述べた。
また、同日開かれた中央建設業審議会で委員を務める日本建設業連合会の山内隆司会長は、新国立競技場建設工事を担当する大成建設として「協力業者の若手社員が自ら命を絶たれるという痛ましい事案がありました。あらためてご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々に対して心よりお悔やみ申し上げます」と発言。さらに「背景に過重労働の問題があったとすれば建設現場の総括管理責任を負う元請企業として誠に遺憾」とした上で、働き方改革の実現や建設キャリアアップシステムの構築を通じて「元請企業の団体として建設業全体の就労環境の改善に取り組んでまいりたい」との考えを示した。