【経審改正】 新たな建設機械購入を後押し
2017/07/27建設時事
建設メール
国土交通省が計画する経営事項審査(経審)の改正では、建設機械を購入し、「地域の守り手」としての役割を果たそうとする企業を後押しするように評価を見直す。改正により、社会性等を評価するW点で現行1台につき加点1(最大15点)であるところ、1台目を加点5、2台目は加点6とするなど加点割合を高める見通しだ。国交省によると、経審取得業者における建設機械の保有状況は、約10万業者が保有台数0台、1~3台を保有する業者は約2万5000社いるため、0台の業者を含めて保有台数が少ない業者の恩恵が大きいと考えられる。
これまで企業によっては、災害時に使用する建設機械を購入すると経営状況を評価するY点が低くなり、結果として総合評定値(P点)が低下してしまうなど、W点での評価が建設機械を保有する動機付けにつながらない場合もあった。
個別企業の規模や財務状況、購入する建設機械の金額等で影響は異なるものの、W点の加点見直しにより、始めの数台の保有を高く評価することで、建設機械購入に伴う財務状況変化よってP点が低下する影響を補える範囲が拡大する。国交省のシミュレーションによると、現行制度では建設機械を1台保有すると、W点は1点上昇、P点は1・35点上昇するのに対し、改正後はW点が5点上昇、P点は7・05点の上昇となる。例えば完成工事高7000万円程度の会社が現金購入または借入購入する場合、P点はマイナスにならなくなる。今回の改正により建設機械を保有していない企業の購入意欲増加が期待される。
経審改正の内容は、25日開催の中央建設業審議会総会で了承された。委員を務める全国建設業協会の近藤晴貞会長は改正内容を評価しつつも、建設機械を自社保有、リースするほかに、経審の評価対象外の子会社による保有についても評価対象とするような制度の検討を求めている。