【働き方改革】 民間発注者にも適正な工期設定の理解求める
2017/07/28業界動向
建設メール
主要な民間発注団体や建設業団体、労働組合が参画する政府の建設業の働き方改革に関する協議会の初会合が28日に内閣府で開かれ、「適正な工期設定等のためのガイドライン」の策定・周知や民間発注者への支援などを中心とする今後の取り組みの方向性を確認した。
ガイドラインの策定は、時間外労働規制の適用に向けて、公共・民間を含め全ての建設工事で適正な工期設定等が行われるための環境整備が目的。週休2日を前提とした適正な工期設定による工事発注や施工時期の平準化、適正な工期設定に伴うコスト増加のしわ寄せが必要経費の削減につながらないよう社会保険の法定福利費や安全衛生経費を含んだ適正な請負代金による契約の徹底、工事現場における生産性向上を図る観点からICTの積極的な活用や書類の簡素化を推進することを盛り込む見通し。8月中に開く関係省庁連絡会議において、関係省庁申し合わせとして取りまとめる。
国土交通省は今回、ガイドライン骨子案の中で、受発注者に対して求める時間外労働規制の適用に向けた基本的な考え方を示した。受注者は下請けも含め建設工事に従事する者が時間外労働規制に抵触するような長時間労働を行うことを前提とした不当に短い工期となることがないよう、適正な工期で請負契約を締結する。発注者は建設業の長時間労働の是正や週休2日の確保等に配慮して、施工条件の明確化などを図りながら、適正な工期での工事請負契約を締結する。民間の建設工事においては、受注者に工期設定の考え方などを適切に説明することを求める。
今後の取り組みの方向性では、他にも不適正な工期への対応強化として受注者による工期ダンピングや発注者による短工期の強要を防ぐための取り組みも検討する。
今回、各民間発注団体は趣旨を理解し、前向きに協力する姿勢をみせた。
協議会の構成員は次のとおり。
▽議長=内閣官房副長官補(内政)
▽構成員=内閣府政策統括官(経済財政運営担当)、厚生労働省労働基準局長、国土交通省土地・建設産業局長、日本経済団体連合会労働法制本部長、同連合会産業政策本部長、日本商工会議所産業政策第二部長、電気事業連合会総務部長、日本ガス協会総務部長、不動産協会副理事長専務理事、日本民営鉄道協会常務理事技術部長、日本建設業連合会週休二日推進本部本部長、全国建設業協会労働委員会委員長、全国中小建設業協会会長、建設産業専門団体連合会会長、日本労働組合総連合会副事務局長、日本基幹産業労働組合連合会建設委員会委員長、全国建設労働組合総連合書記長