【ICT活用】 小規模工事対象の積算基準改定を検討
2017/07/31積算・資格news
建設メール
建設現場におけるICTの全面的な活用を進める国土交通省は、7月31日に産学官関係者による第5回ICT導入協議会を開き、ICT土工を中小建設業者へ普及させるための課題と対策を示した。課題の一つとした官積算のうち、小規模工事の歩掛が合わないという問題に対しては、ICT建機の使用割合や日当たり施工量等の実態調査を行い、通常施工との比較分析を踏まえて必要な改定内容を検討する考えを示した。
発注者の理解不足への対応では、今後、ICT活用工事による発注者側のメリットも取りまとめ、自治体に示すとした。
初期投資費用に関しては、3次元設計データ作成ソフトを購入せざるを得ず、中小零細企業では投資できないため積算で見てほしいという課題に対し、会社の投資そのものを積算で見るのは難しいとした上で、中小企業等経営強化法に基づく税制優遇措置の適用検討を求めた。
また、維持管理のモニタリング、点検、補修工事の各段階で当面考えられるICT導入の分野を示した。工事関係では、ICT法面工としてICT土工の対象工事周辺の構造物である法面工などへ拡大するほか、ICT舗装工の技術を①MC路面切削②As敷均しMC③MMS(移動体)による検査まで対象を広げる。
設計協議の段階では、現況点群データを下図にした3次元モデルの協議図面としての活用、VRなどを使って地元協議時間を縮減するなど意思決定の迅速化を図る。
施工管理に当たっては、IoT技術を用いた遠隔監視や常時監視による段階確認の代替、ICT建機の施工履歴記録の情報を活用した中間検査などにより立会い待ち時間や書類の削減につなげる。
6月22日時点における本年度の国交省直轄工事のICT土工公告件数は、予定を含めて発注者指定型85件、施工者希望Ⅰ型213件、施工者希望Ⅱ型406件の合計704件。ICT舗装工は発注者指定型5件、施工者希望Ⅰ型40件、施工者希望Ⅱ型44件の合計89件の公告を予定する。都道府県・政令市では31団体が112件以上の実施を予定している。