【改正水道法案】 台帳整備義務化など自治体に再確認
2017/08/23建設時事
建設メール
厚生労働省は、水道の基盤強化に向けた第1回地域懇談会を22日に都内で開催し、関東地域の水道事業関係者などが参加した。人口減少などに伴う水需要の減少や、給水原価が供給単価を上回る原価割れなどの現状に対し、先の国会で継続審議とされた水道法改正案に基づき、医薬・生活衛生局の倉吉紘子水道課長補佐が講演、諸課題の解決策を探った。
改正案によると、小規模な水道事業体に対し、都道府県には広域連携の推進役としての責務が規定され、同法案の目的となる水道の基盤強化の推進を求めている。
また、台帳整備については改正案で義務付けとされ、広域化事業を積極的に意思表示している場合に補助支援を行う。
官民連携に関しては、施設の運営権を民間事業者に設定する際、水道事業の認可を残してほしいとの地方自治体からの要請を受け、新たな方式を創設する。
水道料金に関する事項では「健全経営を確保する公正妥当なもの」と明記された。参加者からの「公正妥当なものであれば、官民連携の必要性がないのでは」との質問に対し、医薬・生活衛生局は「将来の人口減少を考えれば、広域化後の値上げの方が単独での引き上げよりも抑えられる可能性は高い」と回答した。
さらに、指定給水装置工事事業者制度の改善では、更新制を導入し、仮に改正水道法が2018年10月1日の施行となった場合、本年度内に予算要求とともに、既存指定工事事業者の更新時期平準化検討、条例改正に向けた協議を行うことなどがスケジュール案として示された。
この後、神奈川県内広域水道事業団広域水質管理センターの勝山志乃所長、秩父広域市町村圏組合水道局の町田忠男氏から、広域化における効果が紹介され、グループディスカッションでは、資産管理や小規模水道、官民連携などについて、参加者による積極的な意見・情報交換が行われた。
地域懇談会は全国5会場で開かれる。