【18年度概算要求】 国交省と厚労省が連携し人材確保・育成
2017/09/01建設時事
建設メール
建設業の人材確保・育成策を連携して進める国土交通省と厚生労働省は、2018年度予算概算要求で関連する内容を明らかにした。①人材確保②人材育成③魅力ある職場づくり―の3つが重点事項となり、働き方改革を着実に実行しながら中長期的な人材確保・育成を図る考え。
人材確保の主な取り組みのうち、国交省は建設産業の働き方改革として民間発注工事、建設技術者の働き方改革の推進や建設業許可等の電子申請化に向けた検討に新規で取り組む。厚労省は建設事業主等に対する助成金による支援を一部見直し、「建設労働者技能実習コース」について若者(35歳未満)や女性労働者を対象に経費助成率を引き上げる。また、登録基幹技能者の賃金テーブルまたは資格手当てを引き上げ、実際に適用した場合に助成する「雇用管理制度助成コース(建設分野)」の要件を緩和する。
人材育成に関して国交省では、地域建設産業における多能工化・協業化の推進と、専門工事企業等に関する評価制度の構築に向けた検討に新規で着手する。厚労省は中小建設事業主等への支援や建設分野におけるハロートレーニング(職業訓練)を引き続き実施する。
魅力ある職場づくりについて、国交省は建設職人の安全・健康の確保の推進に新規で取り組むほか、引き続き多様な入札契約方法の活用促進事業を行う。厚労省は新規で中小専門工事業者の安全衛生活動支援事業として、安全衛生管理能力向上のための集団指導・技術研修会、パトロール、個別指導などを実施する。労災保険特別加入制度の周知広報等事業の実施では、関係機関や関係団体を通じた周知広報と実態調査のほか、新たに一人親方の安全衛生教育用テキストの作成、労災保険に特別加入している一人親方への安全衛生教育を行う。
なお、両省が概算要求の段階で建設業の人材確保・育成に向けた要求内容を共同で公表するのは昨年度に続き2回目。