〈耳寄り〉 一級建築士の合格者は4人に1人が女性
2017/09/11コラム
建設メール
今月5日に発表された2017年一級建築士試験「学科の試験」の合格者を見ると、合格率は2年ぶりに18%を超え、合格者も5000人に届きそうになるなど、受験者数、合格者数、合格率ともに前年を上回った。また、女性の合格者の割合が過去最高の24・1%となり、合格者のほぼ4人に1人が女性だった。近年は建設業界でも国や業界団体、企業などが女性の活躍推進に向けた取り組みを進めており、建設系の他の資格でも合格者に占める女性の割合が上昇している。
受験資格別で大学の割合が伸び、年齢別では24歳~26歳が最多だった。今回の結果から、建設業界における若手業界人に対する資格取得要請はますます高くなり、大学卒、大学院卒の人が受験資格を得てから、早い段階で資格取得を目指す傾向が主流になりつつあると考えられる。
さらに今回の試験では、総得点の合格基準点が基本水準である90点を3点下回る87点に下方修正された。基準点が87点に下がったのは6年ぶりで、総合資格学院を運営する総合資格では「試験の難易度が高かったことがうかがえる」としている。試験内容は、実務的な出題や法改正・新基準・新技術に関する出題が含まれていた一方、過去に出題されている内容については、正誤の判断が難しい問題が選定される傾向にあったと分析する。
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今後は合格者を対象に10月8日に設計製図の試験が行われる。課題は「小規模なリゾートホテル」。設計製図試験の合格者数は年々減少しており、昨年の合格者は5年前と比較して約800人も少なかった。近年は実践的で提案力に優れているかどうかが合格の鍵を握ると言われる中、全体の合格者数とともに、女性および20代中盤の若者の合格率が前年比でどのように変わるかが注目される。