〈耳寄り〉 建設技能者育成は講師の養成から
2017/09/12コラム
建設メール
建設産業担い手確保・育成コンソーシアム(事務局・建設業振興基金)は、近畿建設技能研究協会へ業務を委託する形で、新たに建設技能講師養成セミナーに取り組む。昨年度に兵庫県建設業協会が開発した教育訓練カリキュラムを実践するもので、今月28日と29日の2日間にわたり、三田建設技能研修センター(兵庫県三田市)で行われる。講師はハタコンサルタント代表取締役の降籏達生氏が務める。
セミナーでは声の出し方、身振り、手振り、うまくできない人へのタイプ別声のかけ方、正しい褒め方、叱り方、やる気が上がるアドバイスの仕方などについて、講義と実習を組み合わせた方式で学ぶ。
現在、建設技能を教えている講師の能力向上を図るとともに、受講者からのアンケート結果などを踏まえて、より実効性の高いカリキュラムの改良につなげる。また、カリキュラム修了者が講師となって新たな講師を養成することを目指す。
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今回のようなセミナーを開催する背景には、建設に関する技能があっても、講師として教える技術を誰かに習った経験がないため、教え方が分からない人が多いという問題がある。今後、需要が高まる建設技能者を育成していくには、まずは講師が「どのように教えるのか」を身に付ける必要があるということだ。振興基金では年明けにも再度セミナーを開催したい意向を持っている。建設技能講師の養成は全国的な課題であり、今回、試行として初めて無料で行うセミナーの結果が、今後の方向性を決めることになりそうだ。