【働き方改革+記者の眼】 電力、ガス業界と連絡会議設置
2017/09/25記者の目/論説
建設メール
建設業の働き方改革を進めるため、電力、ガスの各分野を対象とする連絡会議が設置され、具体的な方策の検討に入った。22日に電力関係連絡会議、25日にはガス関係連絡会議の初会合が開かれ、最近の動向について情報共有するとともに、課題解決に向けて知恵を絞っていくことを確認した。
連絡会議には、電力およびガスの関係団体に加え、国土交通省建設業課と資源エネルギー庁の関係課、日本建設業連合会(日建連)や全国建設業協会などの建設業団体が参画している。日建連は両会議において、時間外労働の上限規制に対応するための週休2日等への取り組み状況を説明した。
今後、建設業の働き方改革に関する取り組みの共有、各分野の工事の特徴や課題の共有、先進事例の共有と展開、働き方改革推進方策の検討などを進める。来年度には実態調査やモデル工事の選定などを行う考えで、年度内に方向性を固める。
建設業の働き方改革推進に向けては、鉄道、電力、ガス、不動産の民間4分野で連絡会議を設置する予定で、鉄道分野に関しては先月25日に初会合を開催した。いずれの分野も発注者と受注者の建設会社、元請け・下請け間では問題点の共有が十分に行われていないという課題があるため、国が間に立って実態を把握するとともに、連絡会議を通じて具体的な対策を検討していく。
〈記者の眼〉
電気工事やガス工事に特化して受発注者が議論する場はほとんど無く、働き方改革という視点を通じて関係者が大局的な見地から課題を共有し、解決に向けて知恵を出す機会が出来たことは非常に画期的といえる。電力業界とガス業界は、いずれも料金の自由化が進んでいるため、発注側としてもコスト削減を意識せざるを得ず、受注者側が望む適正な価格と工期による発注は簡単なことではない。ただ、電力・ガス業界にとっても工事を受注する建設会社が現れなければ、計画通りに工事を進めることはできない。両業界には、建設業界の担い手確保が進まなければ、将来的に事業推進に支障が出る可能性があることを認識した上で、建設業の働き方改革への協力を望みたい。