【コンクリート工】 生産性向上へプレキャスト利用拡大も
2017/10/11建設時事
建設メール
コンクリート工の生産性向上に取り組む国土交通省は、規格の標準化や全体最適の検討に向けた今後の取り組みの方向性を10日開催の有識者検討協議会に示した。全国レベルで全体最適化を図るためプレキャストの利用拡大を図るほか、要素技術の検討としてプレハブ鉄筋、埋設型枠、橋梁等部材の標準化に関するガイドラインを年度内にまとめる見通しだ。
コンクリート工全体の生産性向上に当たっては、現場打ち、工場製品のプレキャストそれぞれの特性に応じて施工の効率化を図る技術・工法の導入を検討する。
プレキャスト製品に関しては今後、比較検討段階における積算方法を整理した上で、市場規模や汎用性を踏まえて、例えばボックスカルバートは内空断面積40㎡以下、擁壁工は壁高5・0m以下のように一定規模以下の場合に採用していく。コスト比較については、ICT土工と同様に1・1倍を目安に製品ごとに優位性を総合的に判断する。さらに工期短縮やライフサイクルコスト、安全性向上の効果も考慮し、大型製品への採用拡大も検討する。
要素技術の活用では、埋設型枠やプレハブ鉄筋を活用して現場作業の一部を工場作業化し、現場で中詰めコンクリートを打設するハーフプレキャストなどにより現場施工の効率化を図る。また、コンクリート橋梁のプレキャスト化・標準化による生産性向上を目的に、橋梁部材等のプレキャスト化の設計手順や照査方法の考え方、標準化の方法を定める。
他にも生コン情報の電子化の試行として、製造側と施工者側の双方が取り組み可能な運用方法を検討し、本年度に現場での試行を通じて効果を検証することになった。