【全中建意見交換会】 働き方改革中心に発注者と協議
2017/10/17業界動向
建設メール
全国中小建設業協会(全中建)は17日、全国ブロック別意見交換会(関東地区)を中央区銀座のコートヤードマリオットホテルで開催した。今回は働き方改革・生産性向上の話題を中心に話し合った。
団体側は、全中建の他に東京都中小建設業協会(都中建)、全中建南多摩、神奈川県中小建設業協会、横浜建設業協会の各代表が参加。発注者側は国土交通省、関東地方整備局、横浜市が出席した。
全中建の豊田剛会長は「ブロック会議は5回目。これまでは担い手3法の運用指針を中心に協議を重ねてきた。しかし働き方改革と生産性向上が喫緊の課題とされている。特に働き方改革では週休2日制と長時間労働、発注の平準化、適正工期の設定など山積している。生産性向上ではICT活用等、中小企業の現実と、かみ合っていない部分もあるが、今後対応しなければならない点も多い。全中建ではこの2つに対して特別委員会を設置し、中小企業の観点から対策を進めていく」と現況と今後の対応を示した。
続いて都中建の山口巌会長は「東京都の入札制度改革により、さまざまな弊害が発生している。今回の意見交換会で方向性を示していただきたい」と述べた。
地域別質問では、都中建から社会保険未加入問題について、民間に広めるためにも発注者側の負担を義務付けてほしいとの声に対し、国交省は「課題と思っている。正直者が損をしないよう、働き掛けたい」と返答した。
またJV廃止、低入札価格調査制度導入の拡大、1者入札の廃止、工期平準化が進まないなど、東京都の入札契約制度改革が他県や市町村に波及し、建設産業の発展、若年者入職促進の妨げになっているとの意見には「早急な改革により業界とのコミュニケーションが図れなかったのは事実。今後段階を踏めば対応できる部分もある」と答えた。
全中建南多摩からの「新入社員確保の上で、収入源を伴った週休2日制を進めてほしい」との要望には、「現在調査を行っているが、今後労務費の中で反映できるかなど検討を重ねていく」と説明した。