【建産連専門工事業委員会】 働き方改革などで情報交換/関東甲信越ブロック会議開催
2017/10/20業界動向
建設メール
全国建設産業団体連合会(建産連、渡邉勇雄会長)の専門工事業委員会関東甲信越ブロック会議が20日、都内で開かれた。渡邉会長は開会に当たり、「多数の意見を聞き、これを集約して建産連の活動に役立てたい」とあいさつし、12月に開く全国会議に反映させる考えを示した。
会議では①専門工事業側からみた「法定福利費」が末端まで行き渡る方策②専門工事業者の担い手確保、処遇改善方策③働き方改革の3つの議題について、同ブロックの各県の専門工事業団体のトップと発注者側の国土交通省と関東地方整備局の担当者を交え、情報交換した。参加した各県の代表者は厳しい現状を訴え、改善策の必要性を訴えた。
法定福利費については、標準見積書の中に法定福利費が盛り込まれているが、そこからトータルで値引き交渉されるケースもあり、末端まで行き渡るには「別枠支給」や「別枠計上」が必要とし、行政側には紙ベースだけではなく、見える形でのチェック体制を求めた。
担い手確保、処遇改善では、「経営者が入職した若手技能者を大事に育てる」「保護者や学校の先生にも(建設業を)理解してもらうことが重要」など、教育や情報発信が不可欠との意見が出された。また処遇改善では企業の利益確保が大前提となることから、公共工事の予算確保や労務費のさらなる改善などを訴えた。
政府が進める働き方改革は、建設業界も5年の猶予を経ていわゆる「36(サブロク)協定」の対象となり、週休2日の確保や長時間労働の是正は、担い手確保という観点からも待ったなしの状況に置かれている。専門工事業だけでは実現は難しく、発注者、元請けと一体となった取り組みが必要とし、公共工事だけでなく、民間工事でも平準化発注、適切な工期の設定が必要との意見も出された。
国交省側では、将来の担い手確保に社会保険の加入は必要不可欠だが、末端まで行き渡らなければ加入の継続が難しいとの見方を示し、現在アンケート調査を実施しており、どこで滞っているのか原因を突き止め改善していきたいと話した。また、働き方改革においても民間工事を含めて取り組むことを明確にした。