【都市計画道路】 自治体へ適時適切な見直し促す
2017/10/24建設時事
建設メール
国土交通省は都市計画道路の見直しに向けた今後の対策を検討している。地方自治体による自主的な見直しを促すための有効な方策が論点となっており、都市計画道路の整備方針と未着手道路に関して「適時適切な見直し」の取り組み促進が必要であることを、20日開催の都市計画基本問題小委員会で今後の考え方として示した。
都市計画道路(幹線街路)は計画延長約6・4万㎞のうち、未着手区間が3割強の約2・1万㎞を占める。公共事業関係費が近年横ばいとなる中、必要性の高い路線・事業への選択と集中を図ることが重要で、路線および事業ごとの必要性検証に当たっては、ネットワーク全体の観点から検討する必要があるため、地方自治体による都市計画道路の見直しの適時適切な実施が求められている。
全国の約8割の地方自治体が都市計画道路の見直しを実施済みだが、地域ごとに取り組み状況に差があり、都道府県道等の見直しを都道府県が自ら実施している地域では市町村の見直し実施の割合が高い傾向にある。見直しの主な課題として自治体からは国・県・市など関係主体との協議・調整や、地元と変更・廃止の合意形成が難航する点を指摘する意見が目立つ。
国交省が自治体に行った個別ヒアリングの結果、市町村の90%以上が見直している場合は、都道府県が指導・助言を積極的に行っている。一方、90%未満の場合は都道府県の助言やフォローアップが不十分であり、少ない人員で対応せざるを得ないことや必要な情報の不足が市町村の見直しの課題となっている。
また、長期未着手路線などで整備の見通しが明確にできない場合、過度な権利制限を避けるため、当面の対応として地方自治体の裁量で建築制限の緩和が行われている。
現状では、約2割の地方自治体が緩和を行っており、うち4割は独自の基準を持っているが、緩和対象路線の選定や、他都市との横並びを課題と感じる地方自治体もある。今後の対応の方向性としては、地域ごとの実情や必要性を反映するために、地方自治体の裁量によって整備の優先度や沿道用途・建物用途などを踏まえ、階数等の緩和を行うことが有効としている。