【ISO9001活用】 モデル工事で段階確認を簡略化
2017/11/14建設時事
建設メール
国土交通省は工事の品質向上と監督業務の効率化を図るため、直轄の一般土木工事を対象に第三者機関の監査を取り入れたISO9001活用モデル工事の試行を始める。今月15日以降に契約手続きを開始する工事および契約済みの工事から施工状況などを勘案して選定する。監督業務の代替として、受注企業のISO9001(品質マネジメントシステム)を活用した自社検査の結果を確認することで、発注者が立ち会う臨場などの段階確認を簡略化する点が特長となる。
ISO9001認証は、直轄のAランクはほぼ全て、Bランクは8割以上、Cランクでも6割程度が取得しているとされるが、実際に直轄工事等で活用している例は少ない。
今回のモデル工事では、工事に受注企業の品質マネジメントシステムを適用し、第三者であるISO認証審査登録機関が発注者の要求事項に対する確実な履行を確認する監査を取り入れることで、品質向上につなげる。受注者は工事着手前に「品質計画書」を提出し、発注者が監督・検査業務と同等であることを確認。施工中は受注者の自社検査を原則とし、監督職員がその状況を事後確認する=添付のエクセル表参照=。
受注者にとっては、ISO9001を適用した自社検査ができることで、臨場など発注者との日程調整が不要になる。また、第三者機関の監査により中間技術検査の減免も可能となる。
なお、モデル工事の実施に当たっては、施工プロセスを通じた検査と、施工者と契約した第三者による品質証明の試行は適用しない。