【国交省補正予算】 災害復旧・防災減災へ重点配分
2017/12/22建設時事
建設メール
政府の2017年度補正予算案が22日に閣議決定された。国土交通省の予算規模は国費総額8337億円で、うち約87%に当たる7271億円を災害復旧・防災減災事業への対応に充てる。また、公共事業の発注を平準化するための国庫債務負担行為(ゼロ国債)には事業費ベースで1575億円を確保し、年度内に契約・発注が可能になることで、効率的な執行を促進する見通しだ。
大規模災害からの復旧には2503億3100万円を付け、7月の九州北部豪雨をはじめ、17年に発生した台風、豪雨等により被害を受けた公共土木施設の災害復旧などを進める。
自然災害リスクを踏まえた防災・減災対策には4768億円を投入し、河川、道路、港湾、国営公園の防災・減災事業、空港の防災事業などを実施する。総合的な防災・減災事業では防災・安全交付金に2406億6800万円を配分し、九州北部豪雨等を踏まえて実施した中小河川の緊急点検の結果に基づく水害・土砂災害対策、災害時の安定的な道路交通を確保する防災・減災対策といった地方自治体が実施する事業に対して総合的な支援を実施する。
豪雨災害等に備えた地籍調査の推進には28億円を充て、被災想定区域において市町村等が行う地籍調査を支援する。
建設業の生産性向上には4億100万円を計上した。中小建設企業における新規入職人材の効果的な育成や中堅人材の技術水準などの向上、ICT施工の促進、AIを用いた施工管理の高度化に関する技術開発を行う。
他にも下水道事業の診断等による経営の効率化に5000万円、明治記念館大磯邸園(仮称)の整備に24億4000万円、住宅市場安定化対策事業(すまい給付金)に497億円などを盛った。
予算執行に当たっては、適正価格での契約、地域企業の活用に配慮しつつ適切な規模での発注等を行う。併せて早期発注を通じた施工時期の平準化、ICT活用によるi-Constructionの推進、適正な工期設定による週休2日の実現などの働き方改革にも取り組む。