【制度改正】 技術者の専任は3500万円以上に
2016/03/07建設時事
建設メール
国土交通省は社会情勢の変化に伴う実態に合わせて技術者を効率よく活用するため、技術者配置に関する金額要件を6月から引き上げる。工事現場に置くべき技術者は、現状では専任が必要な請負金額は監理・主任技術者ともに公共性のある施設など重要な建設工事で2500万円以上、建築一式工事で5000万円以上だが、6月からは3500万円、7000万円へ、それぞれ金額要件を引き上げる。
また、特定建設業の許可および監理技術者の配置が必要な下請契約の金額は現在の3000万円から4000万円に、建築一式工事は現在の4500万円を6000万円に見直す。併せて民間工事で施工体制台帳の作成が必要な下請契約の請負代金額の下限も同様に引き上げる。
物価上昇や消費税増税分を踏まえて改正する金額要件の緩和は1994年以来となる。背景には中長期的な担い手不足があり、金額要件を引き上げることで、技術者の効率的な配置を行えるようにする。専任要件も緩和されることから、これまで認められていなかった2500万円以上3500万円未満の土木工事などの公共工事でも現場を兼務できるようになるため、地方自治体の工事受注が中心の建設業者にとっては、今後の受注機会増加が期待される。
今回の見直しに必要な建設業法施行令の一部を改正する政令案は4月上旬にも公布し、6月1日から施行する。